認知症の診断の病院選びと診断の流れ・診察を拒否するときの対処法
記事作成日 2024.10.03 / 最終更新日 2024.10.03
認知症は予防と早期発見がとても大事です。
では、実際には認知症の診断はどのようにおこなうのでしょうか?
病院選びから始まり、どのように診断されるのか、診断後はどのようなことに注意すれば良いのかをわかりやすく解説していきます。
認知症の診断の病院選び
認知症の診断のための病院選びは、まずはかかりつけ医に相談しましょう。かかりつけ医から専門の医療機関を紹介してもらえます。
持病などがなく、かかりつけ医がいない場合には認知症を専門としている精神科や心療内科、脳神経科を受診することになります。
- 精神科
- 心療内科
- もの忘れ外来
- 認知症専門外来
- 脳神経科
地域包括支援センターでは認知症に詳しい認知症疾患医療センターなどと連携していますので、もしかして認知症?と漠然とした不安がある方や深刻な状態でない場合はまずこちらに相談するとよいでしょう。
地域包括支援センターとは?
地域包括支援センターは、高齢者の生活を支えるための介護医療や保険、福祉などの公的な総合相談窓口です。全ての市町村に設置されていますが、地域ごとに名称が異なる場合もあります。
地域包括支援センターでは、保健師や社会福祉士、主任ケアマネジャーなどの専門家がチームとなって、高齢者やその家族のさまざまな相談を受けています。相談は無料です。
もしかして認知症かな?と思ったら
認知症簡易チェックテスト
認知症の診断の流れ
では、実際の認知症の診断の流れについて解説します。
認知症診断の流れは以下の通りです。
- 面談(問診)
- 身体検査
- 認知症検査
まずは本人や家族の問診がおこなわれ、どのような症状があるのか、日常生活や家族が困っていることなどが聞かれます。
その後の診察では血圧などの健康面と発語、聴力、歩行状態をチェックした後で、いくつかの検査がおこなわれ診断がおります。
認知症診断では、問診を含む面談、他の病気の可能性も確認するための身体検査、神経心理学検査と脳画像検査となります。
1.面談(問診)
まずは本人と家族に対して医師の面談があり、過去の病歴や現在の状態についてヒアリングがおこなわれます。正確に伝えるために、あらかじめ内容をまとめたメモなどを準備しておくと良いでしょう。
2.身体検査
身体検査では、一般的な健康診断や人間ドックのような内容(レントゲン、血液検査、尿検査、血液検査など)をおこないます。
認知症だけではなく、他の病気の有無や身体の状態について確認します。
3.認知症検査
認知症検査は「脳画像検査」と「神経心理学検査」の2種類があります。
脳画像検査はCTやMRIで脳を撮影して、脳の状態を検査するものです。神経心理検査は脳の働きをチェックする検査。絵を見て絵の内容を答えるものや、記憶の確認、単純な計算問題などです。
神経心理検査には「長谷川式簡易知能評価スケール」や「ミニメンタルステート検査」「時計描画テスト」といったものがあります。
なお、一口に認知症と言っても種類がありますので「認知症とは?種類やそれぞれの症状を解説」を参考にしてください。
認知症の診察を拒否するときの対処法
認知症の検査をするというと、ショックを受けたり、診断をされたくないと検査を拒否する人もいるでしょう
しかし、早期発見、早期治療に越したことはありません。本人にしっかりと理解してもらい、協力をとりつけることが大切です。
アプローチを変える
本人のために早めに受診してもらうには「認知症の検査に行こう」と言うのではなく、別の理由で病院に連れ出すようにしましょう。
本人が信頼している人やかかりつけ医に診察の必要性を話してもらうのもひとつの方法です。また、地域包括支援センターに相談しアドバイスをもらう方法もあります。
家族の病院の付き添いや、「自分の認知症の検査のついでに一緒に検査してみないか?」などと言って病院へ連れて行くのも良いでしょう。その際は、あらかじめ医師や看護師に話をしておいたり、気になる症状をまとめたものを渡したりすると診察がスムーズに進みます。
自宅へ訪問してくれる病院を頼る
認知症の診察を受けるのを嫌がっている等で困っている場合は、地域包括支援センターへ相談してみましょう。
地域の民生委員や地域包括支援センターと連携し自宅へ訪問し認知症の診療をおこなっている病院もあります。
認知症の検査について、家族が本人へアプローチする際は、無理矢理ではなく本人の気持ちを尊重しながらゆっくりと話しを進めましょう。
まとめ
以上、病院選びや診断方法などについて解説しました。
身体や行動に異常を感じたら早めに病院を受診しましょう。認知症は早期発見、早期治療が重要です。
物忘れが多くなったと感じている方は「物忘れと認知症の違いは?事例と影響をわかりやすく解説は?」をご覧ください。また、認知症に至らなくても前段階のグレーゾーン「認知症を発症する前段階の軽度認知障害」についても参考にしてください。
認知症の進行は人それぞれなので一概には言えませんが、症状が急に進むことはありえます。
また、認知症ではないけれどお金の管理に不安がある場合は家族信託を検討してみたらいかがでしょうか。認知症家族信託ガイドでは家族信託に精通した専門家をご紹介していますので、気軽にご相談ください。