物忘れと認知症の違いは?事例と影響をわかりやすく解説
記事作成日 2024.06.24 / 最終更新日 2024.09.04
年齢を重ねると、会話をしていて人の名前が出てこなかったり、勉強をしていてもなかなか暗記ができなくなった、という感じる人は多いのでは?
初めのうちは笑い話にしていても、常態化を感じると「もしかして認知症なのでは・・・?」と不安になる方も。
高齢者の5人に1人が認知症になるといわれるほど、認知症は発症率が高く、誰でもかかりえる症状です。
この記事では物忘れと認知症の違いを解説します。是非参考にしてください。
物忘れと認知症の違い
物忘れと認知症の違いは何でしょうか。
物忘れと認知症の違いは、症状の頻度、影響の程度、および日常生活への影響の大きさにあります。
次からは具体例を交えて説明していきます。
忘れる
物忘れの場合
・日常的な物忘れ
例:忙しい一日の終わりに、鍵などをどこに置いたか忘れる。しかし、後で落ち着いて探すと見つかる。
影響: 一時的な不便を感じるだけで、生活に大きな支障はない。
・約束を忘れる
例: 数日前に友人とランチの約束をしたことを忘れてしまうが、友人からのリマインダーで思い出す。
影響: 予定を立て直せば解決するため、重大な問題にはならない。
認知症の場合
・物の置き場所を頻繁に間違える
例: 鍵や財布を冷蔵庫に置いたり、他の場所に置いてしまい、後で見つけられない。また、その際に誰かが盗んだと疑うこともある。
影響: 日常生活に混乱をきたし、他人との関係にも悪影響を与えることがある。
・短期記憶の深刻な障害
例: 食事をしたこと自体を忘れてしまい、直後にまた食事を要求する。または、同じ質問を何度も繰り返す。
影響: 日常生活に重大な支障をきたし、周囲のサポートが必要になる。
思い出せない
物忘れの場合
・名前や単語が出てこない
例:昔の友人の名前がすぐに思い出せないが、しばらくして思い出す。
影響: 会話の一部で少し困る程度で、他の文脈で補えるため大きな問題にはならない。
認知症の場合
・計画や問題解決の困難
例: 簡単な家事や料理の手順を忘れ、例えば、お湯を沸かすのに鍋を火にかけたまま忘れてしまう。
影響: 重大な事故や健康被害のリスクが高まり、常時のサポートが必要になる。
場所や時間がわからなくなる
認知症では時間や場所の感覚が混乱したり喪失することがあります。これは物忘れという範疇では考えられないものです。
場所の認識の混乱
例: 自宅の中でさえ迷子になり、浴室や寝室の場所を忘れる。また、外出先から自宅への帰り道がわからなくなる。
影響: 安全性に関わる問題が生じ、介護や監視が必要になる。
時間や場所の感覚の喪失
例: 日付や季節を混同し、季節外れの服装をする。また、時間の感覚がおかしくなり、昼夜逆転することがある。
影響: 日常生活のリズムが乱れ、他人の助けが必要になる。
まとめ
以上、物忘れと認知症の違いについて解説しました。大きくまとめると以下のように分けることができるでしょう。
【物忘れ】日常的なストレスや加齢による一時的な現象で、基本的には後で思い出すことができ、生活に大きな影響はない。
【認知症】脳の機能が低下することによる持続的かつ進行性の障害で、記憶だけでなく判断力、言語、見当識など広範囲に影響し、日常生活に重大な支障をきたす。
物忘れは自然な現象の一部ですが、認知症は医療介入が必要な深刻な状態です。疑わしい場合は専門医の診断を受けることが重要です。
また、認知症ではないけれど将来のお金の管理に不安がある場合は家族信託を検討してみたらいかがでしょうか。